「プロライセンスは必要か?」 ウメハラ選手やプロゲーマーたちがゲームクリエイター、日本eスポーツ連合副会長と座談会を実施へ

 世界的な格闘ゲームのレジェンドであり、日本のeスポーツにおいてはプロゲーマーの先駆者でもあるウメハラ選手(本名:梅原大吾氏)。彼が2月12日に自身のTwitterアカウントで“とある座談会”を告知し、SNS上で大きな注目を集めている。

 2月18日に実施予定となる座談会のテーマは「ゲームと金」。参加者はウメハラ選手をふくむふ~ど選手Nemo選手といったプロゲーマーが5名。
 運営委員長として1月末に開催された「EVO Japan 2018」を成功に導いたハメコ。氏や、『ストリートファイターII』の生みの親として知られる西谷亮氏、そして2月1日に設立された「一般社団法人日本eスポーツ連合(Japan eSports Union、略称JeSU)」の副会長を務める浜村弘一氏など、運営・開発側から5名の合計10名となっている。

座談会出演者(2018年2月13日時点)

 

ウメハラ
 日本初のプロゲーマー。15歳で日本を制し、17歳で世界チャンピオンのタイトルを獲得。「世界で最も長く賞金を稼いでいるプロゲーマー」など3つのギネス記録を持っており、現在はレッドブル、Twitch、HyperX、Cygamesの4社のスポンサード・アスリートとして世界で活躍している。JeSUプロライセンス選手。

 

ふ~ど
 「Team Razer」所属のプロゲーマー。2003年ごろから『バーチャファイター』の全国大会で名を馳せ、2005年には「闘劇」の『バーチャファイター4』部門で優勝。さまざまな大会でタイトルを獲得している。JeSUプロライセンス選手。

 

Nemo
 ALIENWARE所属のプロゲーマー。「Capcom Cup 2017」では前日予選突破から3位入賞を果たす。2017年10月にスクウェア・エニックスに入社。平日はスクウェア・エニックス社員として勤務し、週末はプロゲーマーと、兼業しながら結果を残している社会人プロゲーマー。JeSUプロライセンス選手。

 

だいこく
 ウェルプレイド所属のプロゲーマー。『ストリートファイターⅤ』のバーディー使いとして有名。JeSUプロライセンス選手。

 

らや
 アフロの髪型がトレードマークの若手プレイヤー。

 

にゃん師
 TOPANGA代表取締役。国内最高峰のプレイヤーを集めた大会「TOPANGA LEAGUE」を手がける。また、『ガンスリンガー ストラトス』の公式全国大会に出場するなど、プレイヤーとしても活躍している。

 

かげっち
 日本人で初めてTwitchとパートナー契約を結んだプロゲーマー。公式全国大会の実況を務めたり、企画運営進行を行うなど、幅広く活躍。

 

ハメコ。
 「4Gamer」などで活躍しているフリーライター。「EVO Japan 2018」では運営委員長を務めていた。

 

西谷亮
 アリカ代表取締役社長。カプコン在籍時『ファイナルファイト』、『ストリートファイターⅡ』などを手がける。

 

浜村弘一
 Gzブレイン代表取締役社長。ファミ通グループ代表。2月1日に設立されたJeSUの副会長を務める。

 その中でも、もっともその発言が注目される参加者は、やはり最後に挙げたJeSU副会長の浜村弘一氏かもしれない。

 JeSUは、これまで日本国内で乱立していたeスポーツ系団体を統合する形で設立された、eスポーツ後進国である日本の現状を一新することを理想として掲げている新団体。
 そのJeSUが、高額賞金を現行の景品表示法の枠組みで拠出可能にするため発表したプロライセンスに関しては、昨年末から現在まで業界関係者やファンコミュニティのあいだで議論が続いている。

先日は闘会議に合わせてプロライセンス制度の概要を発表したJeSU
(画像はJeSU公式サイトより)

 たとえば株式会社忍ismの代表であり、自身もEchofoxからスポンサードを受けているプロゲーマーももち氏は、このプロライセンス制度に対し懸念を示したひとりだ。
 まったく反対の立場を取るつもりはないと述べているものの、「新設される団体にプロを定義する資格があるのか?」とブログ上で発言。今まで草の根で努力を続けてきたコミュニティを突然現れた新団体がコントロールしようとしているのではないかと、苦渋と疑義を投げかけた。

 またももち氏は、カプコンが発表した22名のライセンス発行推薦選手の中に入っていながら、最終的に決定した21名には入っていない。

※座談会の告知に続く梅原氏のツイート。「プロライセンス制度」の是非も、今回の座談会のテーマの1つであるようだ。

 プロライセンスやJeSU団体設立に関しては、ももち氏の件のようなセンシティブな話が相次いでおり、得てして腹を割って話しづらい議題を団体と現場がどこまで語ることができるのかが、座談会の成否の分水嶺と言えるだろう。

 実際に今回のウメハラ選手の座談会告知に対しては、「すごい面子の座談会」、「楽しみ」といった内容に期待する声もあれば、「ももち選手を呼んで欲しい」、「忖度にならないように切り込んで欲しい」などの意見も見受けられる。
 コミュニティ側も、この座談会がマッチポンプ的なものにならないよう、期待と不安の入り混じった視線を向けている。

 「日本でeスポーツを活性化できるのか」ではなく「eスポーツは日本を活性化できるのか」と記すなど、ウメハラ選手らしい面白さも感じさせる今回の座談会。疑問に対する真摯な回答と共に、未来を感じさせる内容であって欲しいところだ。

文/Nobuhiko Nakanishi
編集/ishigenn

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著者
Nobuhiko Nakanishi
大学時代4年間で累計ゲーセン滞在時間がトリプルスコア程度学校滞在時間を上回っていた重度のゲーセンゲーマーでした。 喜ばしいことに今はCS中心にほぼどんなゲームでも美味しく味わえる大人に成長、特にプレイヤーの資質を試すような難易度の高いゲームが好物です。
編集
ニュースから企画まで幅広く執筆予定の編集部デスク。ペーペーのフリーライター時代からゲーム情報サイト「AUTOMATON」の二代目編集長を経て電ファミニコゲーマーにたどり着く。「インディーとか洋ゲーばっかりやってるんでしょ?」とよく言われるが、和ゲーもソシャゲもレトロも楽しくたしなむ雑食派。
Twitter:@ishigenn
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